ライントレード
支持線・抵抗線の本質を理解する
FXにおける最も基本的かつ強力な分析手法
相場の節目を見極め、プロのような精度の高いトレードを実現
Trade Your Life Forward.
人生を前に進めるトレード
学びを力に。つながりを希望に。
ライントレードとは何か
FXにおける支持線・抵抗線の本質
ライン(支持線・抵抗線)とは、相場の節目となる価格水準に引く線のことです。これらは単なる線ではなく、世界中のトレーダーが意識する「相場の心理的境界線」です。
ラインが機能する理由
チャート上の水平線や斜めのトレンドラインは、それぞれ下値を支えるサポートライン、上値を抑えるレジスタンスラインと呼ばれます。
上位時間軸で引いた主要なラインは、数ヶ月から年以上にわたって機能することが多く、市場参加者の多くが意識する重要な売買ポイントになります。
価格はトレンドライン付近で何度も下落が止まり反発上昇。ラインが「下値支持」として機能している
注文の原理:ラインに注文が溜まる仕組み
なぜライン付近で相場が反転しやすいのか
その根底には新規注文と決済注文の集中という注文原理があります。ラインは多くのトレーダーに意識される水準のため、売買注文が溜まりやすいポイントになっています。
🔵 サポートライン付近(下値支持線)
買い注文が集中する理由:
新規買い注文の集中
過去に何度も下げ止まった価格帯では「またこの水準で買えば反発しやすい」という心理が働き、新規の買い(ロング)注文が入りやすくなります。
利益確定の買い戻し
それまで売りポジションを持っていたトレーダーも利益確定の買い戻し(決済買い)を行うため、ライン付近では買い圧力が強まり下落が止まりやすくなります。
具体例:100円のサポートライン
「100円まで下がったら買いたい」という指値注文や、ショート勢の利益確定買いが集中し、結果として100円手前で相場が反転上昇しやすくなります。
🔴 レジスタンスライン付近(上値抵抗線)
売り注文が集中する理由:
新規売り注文の集中
上昇局面で何度も跳ね返された高値水準では「この価格まで上がったら売りたい」という参加者が多く、新規の売り(ショート)注文が増えやすいです。
利益確定の売り決済
買いポジションを持っていたトレーダーもそのライン付近で利益確定の売り決済を行うため、売り圧力が高まって価格上昇が抑えられます。
具体例:150円のレジスタンス
「150円に届いたら利食い売りしよう」「150円で新規に売ろう」といった注文が蓄積し、結果的に150円手前で上昇が止まりやすくなります。
⚡ ブレイクアウト時の値動き
サポートラインを下抜けた場合
「損切りの売り」やブレイク狙いの新規売り注文が一斉に執行され、下落の勢いが加速しやすくなります。ロスカットの売り(逆指値注文)が連鎖し、相場が一段と急落するケースは日常茶飯事です。
レジスタンスラインを上抜けた場合
それまで上値を抑えていた売り注文を吸収し、更に上抜けを契機に新規のブレイクアウト買い注文や上昇トレンド転換を見込んだ買いが殺到します。
キリ番(ラウンドナンバー)の重要性
末尾「00」のキリの良い数字は人間心理的にも目安にされやすく、世界中のトレーダーが無意識にその価格で利確・損切りやエントリーを設定します。USD/JPYの日足チャートに1円刻みでラインを引くと、主要なキリ番ごとに何度も反転や一時停止する動きが見られます。
🎯 ストップ狩り(ストップハンティング)
ストップ狩りの典型的な流れ(150円の例)
大口勢がまず一瞬150円を上抜けさせて市場に「ブレイクした!」と思わせる
飛び乗った買い注文が集まったところで一気に大量の売りを浴びせる
価格は急反落し、後追いで買ったトレーダーの損切り(売り)注文も巻き込んで下落が加速
対策
闇雲にラインブレイクで飛び乗らず一度押し目や戻りを待つ、あるいは上位足の確定を確認するなど冷静な判断が重要です。
主なラインの種類と重要度
ライン種類のランク分類
ラインには様々な種類があり、その重要度や信頼性には差があります。以下、代表的なラインを独自のランク(A++、A+、A、A–、B+、B)で評価しています。
覚え方:3つのグループ
①トレンド系ライン
トレンドライン・ネックライン=トレンド方向を司るライン。主にトレンドフォロー戦略で重視される。
②レンジ系ライン
レンジ上下限・レジサポ転換ライン=相場の節目や転換点となる水平線群。逆張り戦略やトレンド転換狙いで重視される。
③小勢力ライン
直近高安値・キリ番=短期的な目安や心理的節目。単独では心許ないが、①②と組み合わさると強力な根拠追加要素になる。
ラインの強さを左右するポイント
ラインの強弱を判断する3つの指標
同じ「ライン」といっても、その威力は状況によって大きく異なります。トレーダー目線でラインの強さを評価する際、特に重要なポイントが以下の3つです。
(コンフルエンス)
(止まり回数)
トレンド整合
1. 異種ラインの重複(コンフルエンス効果)
複数の根拠(ライン)が近接して重なっている価格帯は格段に反転しやすいです。これを一般にコンフルエンス(Confluence=合流)と呼びます。
評価例
「週足下降トレンドライン」上に「日足の重要水平サポートライン」がちょうど重なり、さらに「直近安値」もほぼ同じ価格だった場合:
→ 3本の異種ラインが重なっているため「重複3本以上」と判定され、最大評価(20点)となります。
2. 過去の反発履歴(止まり回数)
3. 上位時間軸のトレンド整合
大局の流れには大口の資金が乗っているため、小さな反動より本流に追随した方が得やすい
明確なトレンドがない状態。どちらにも動く可能性があるため中程度の評価
全体の流れに逆らうリスクを考慮して減点。成功率が低くなりがち
スコアリング例
「ライン重複:3本(20点)」「反発履歴:2回(12点)」「上位トレンド順行(+10点)」
→ 合計42点となり、ライン戦略としてはかなり高い期待値と判断できます。
週足ダウラインの戦略とリスク管理
週足トレンドラインを使った中長期戦略
週足は最も大局的なトレンドを示すチャートです。そのトレンドラインは極めて強力で、一度反発すれば何百pipsもの大相場に発展する可能性を秘めています。
週足ラインでのトレード特性
スイングトレードは数日~数週間ポジションを保有し、日足・週足レベルの大きなトレンドに乗って数百pips単位の利益を狙う中期手法です。
戦略例:週足上昇トレンドラインに沿った押し目買い
シナリオ設定
ドル円が長期上昇トレンド中で、週足のサポートライン付近まで調整で下落してきた局面(絶好の押し目ポイント)
エントリー設定
• エントリー価格:100.00円
• 直近安値:99.50円(週足ラインと重なる)
• 損切りライン:99.30円(-70pips)
※直近安値を少し下回る水準で、ラインブレイクを確認
利確目標
• 第1目標:直近高値の101.50円近辺(+150pips)
• 第2目標:次の節目102.00円(+200pips)
• リスクリワード比:約1:2~1:3(十分妥当な範囲)
資金管理の鉄則
損切り幅が大きい分、ポジションサイズは小さめに抑える必要があります。週足で50~100pipsの許容を取るならロットを普段の1/4~1/2程度に落としてリスク%を合わせるのが鉄則です。
エントリー手法と留意点
指値エントリー vs 成行エントリー
ライン付近でのエントリーには大きく分けて2つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、状況に応じて使い分けることが重要です。
• 画面を見ていなくても自動約定
• 最良のエントリー価格を狙える
• より確信度を持って入れる
• プライスアクションを確認できる
• ブレイクした場合即損切り
• スリッページのリスク
• 利益幅が減る
• 一瞬で反転した場合置いていかれる
• 複数根拠が重なるポイント
• 信頼度の高い上位足ライン
• 初心者の基本戦略
• ダマシが多い相場環境
成行エントリーの判断材料
ローソク足の反転サイン
ピンバー、包み足、エンゴルフィングなどがライン付近に出現
ダマシの否定
一度ラインを少しブレイクした後にすぐ押し戻されてライン内に戻ってくる動き
出来高の増加
ライン付近で取引量が急増し、市場の注目度が高まっているサイン
リスクリワード比の重要性
具体的なガイドとして、リスクリワード比(RR比)1:2以上を目指すと良いでしょう。例えば損切り幅が30pipsなら利確目標は最低60pips先、50pipsなら100pips先、といった具合です。
初心者への本質的な考え方
ライン戦略をマスターするために
ライン手法は奥が深いですが、根幹を押さえれば誰でも実践できます。以下の基本原則を守ることで、着実にスキルを向上させることができます。
大局からラインを引く「トップダウン分析」
週足から始める
最も大きな時間軸から主要な高値・安値やトレンドラインを引く
日足で補強
週足ラインを確認しながら、日足レベルの重要ラインを追加
4時間足で詳細確認
短期的な動きの中で、上位ラインとの関係性を確認
用語解説と実践のコツ
実践への第一歩
まずはデモトレードで練習
ライン分析の精度を高めるため、最初は実資金を使わずにデモ口座で練習しましょう。最低でも100回は検証を重ねることが重要です。
トレード日誌をつける
どのラインでエントリーし、なぜそう判断したのか記録。成功と失敗のパターンが見えてきます。
資金管理を徹底する
1トレードのリスクは総資金の2%以内に抑える。ライン戦略が完璧でも、資金管理なしには成功できません。